プロフィール紹介
経歴
1986年4月 北海道医療大学歯学部入学
1992年3月 北海道医療大学歯学部卒業
1992年4月 同校付属病院第一口腔外科入局
1993年10月 北海道札幌市中央区にて医療法人社団飛天会たかむら歯科開設
2004年10月 東京港区にて医療法人社団高村歯科医院開設(移転開設)
2010年 3月 米国ロサンゼルスUCLA大学顎顔面外科短期留学
2010年 4月 日本大学歯学部附属病院第一口腔外科(非常勤)
2011年 9月 スウェーデン イエテボリ大学インプラント科研修
主な所属先
日本顎咬合学会
日本口腔インプラント学会
日本口腔外科学会
EAO(ヨーロッパインプラント学会)
AO(アメリカインプラント学会)
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インプラントの交換時期は? 手術後の痛みにも言及
インプラントの寿命について教えてください。一度治療すればどれくらい持つのですか?
例えば整形外科の人工関節があるじゃないですか。あれは14〜15年で必ず交換します。ダメになる前に交換しないと後の始末が困るわけで、最悪、患者さんが歩けなくなってしまいます。それがいわゆる寿命ですね。実はダメになるほとんどの理由が口腔内の感染症、いわゆる歯周病です。
歯周病菌が血液の中を通って全身に及んで人工関節がダメになるのに、菌が棲んでいる口腔内に入れたインプラントがどれだけ持つと思いますか? 治療後もしっかりメンテナンスをした場合の健康寿命は平均10年です。それ以降ですと、顎の骨が溶けていたり、噛めるけど何かしらのトラブルが起きたりする時期になるので、インプラントをやり直すか、入れ歯にするかのタイミングになるはずです。
本当は日本人の6割以上が顎の骨が薄くてインプラント治療に向かない。それをカバーするのが医師の技術力です
インプラントは顎の骨が足りないからできないと言われる方もいます。実際、どれだけの人がインプラントを受けられるコンディションなのでしょうか?
顎の骨が足りなくてできないと言うのなら、足りない人は6〜7割はいますね。顎の骨が薄くても、ちゃんと骨を作る再生治療ができる先生であれば技術的には問題がないです。足りなくなる理由には、歯が抜けたまま放置して骨が痩せる、歯周病の進行で骨が溶ける、歯の根の病気で細菌が押し出され骨が溶けるなどがありますね。顎が正常な患者さんの治療期間は下だったら3〜4カ月、上だったら6〜7カ月ですね。顎の骨が薄い人は、10カ月~1年半くらいはかかります。
インプラント治療は痛いから怖いという方も多いです。どうすれば痛くないとかありますか?
術後が痛いのは当たり前で、ケースバイケースですが、組織反応なので難しい手術だと痛みを伴うことがあります。ですが、手術中は局所麻酔がガッチリ効いているので痛くはありません。あと麻酔の技術を持っている先生は、「静脈内鎮静法」なんかを利用して患者さんをリラックスさせ、無痛に近い状態で治療してあげることが可能になっています。そういう意味でも自分が求める技術を持った歯医者さんを探すのが一番だと思います。
静脈内鎮静法をどう思いますか?
インプラント治療は手術ですから、一般の手術のように全身麻酔をかけてあげることもあります。そうすることで、患者さんの血圧の変動を防げます。患者さんが緊張して血圧が上がれば出血を伴います。いっぱい出血すれば腫れにも繋がりますよ。もちろん痛みにも繋がるわけです。
なので、静脈内鎮静法や全身麻酔をかけてあげる手術は、実は必須ではないかとも思います。ただ、歯科医師の場合は麻酔科医の用意ができなかったり、そういう設備がなかったりして、条件が整わないことが多いんですけど、一般の医科に準じて考えれば当たり前のことだと言えます。
インプラント治療を受ける上での歯医者選びを教えてください
治療前の患者さんが、その先生がちゃんとした技術を持っているかを見極めるのは難しいと思います。やっぱり受けてみなければ分かりません。患者さんには調べるだけでなく、しっかり考えてもらいたいです。
それと、歯医者選びの前に患者さんにも条件が求められると思います。患者さんがまずインプラントの高額な治療費が払える。治療の後のメンテナンスに通える。それから先生と協調性が取れるような性格であること。顎の骨が薄いとかはありきたりなことなので、気にする必要はありません。
インプラントの値段格差について答えてくれた高村先生。また、患者さん自身が後悔のない歯医者さん選びをすることが大切であると語ってくれました。「この先生なら…」と信頼できる歯医者さんを見つけることで、治療をより良い方向に進めることができるはずです。
高村剛先生による動画メッセージ