ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの大型連休中「急に歯が痛くなってしまった!」「ぶつけて歯が欠けてしまった!」「普段は仕事で行けないから連休中に治療したい!」と考える方もいらっしゃいますよね。
しかし、連休中は診療していない歯医者さんが多く、痛みを我慢して過ごした、歯医者さんを探そうと思ったけどすぐに見つからなかったからあきらめてしまった、という方も多いのではないでしょうか?
この記事ではそんな悩める方のために、痛みを抑える為の応急処置やトラブルが起きた時の応急処置の方法、連休中に行ける「休日歯科応急診療」を紹介していきます。
この記事の目次
1.連休中の救世主「休日歯科応急診療」について
『休日歯科応急診療所』をご存じですか?これは、各市区町村が歯科医師会などと連携して、休日の急患に対応してくれる診療所のことです。主に市民会館や保健センターで診療を行っており、その地域の先生が順番に担当することが多いです。
料金は休日加算でやや割高になりますが、痛みを抑える為の応急処置が受けられます。ただし、基本的には継続した治療は行わず応急処置のみになり、痛み止めを出す、取れてしまった詰め物を付け直す、といった対応のみになります。※担当の先生によって、どこまでやってくれるかが多少異なります。
今すぐにでも痛みをとってほしい!という方はぜひお住まいの地域の休日歯科応急診療している歯医者さんを検索してみてください。休日歯科応急診療でももちろん保険証が必要なのでお忘れなく!おくすり手帳をお持ちの方は、保険証と一緒に持っていきましょう。
2.連休だからこそできる!短期集中治療について
連休中に歯医者さんを見つけられたとしても、継続して通院ができないから、結局最後まで通えなさそう…と不安を感じる方もいますよね。一般診療を行う歯医者さんでは、虫歯治療でも最低2回、複数虫歯がある場合は、それ以上かかるケースも多くあります。これは、保険治療の関係で、一度にたくさんの治療を行うことができない、という背景があります。歯医者さんに行くと、領収書に●点、というように記載されているのを見たことがあると思いますが、その点数も治療によって異なり、点数制限があるのです。
平日忙しく、休みの日以外はなかなか歯医者さんに行けない、という方は「短期治療」を行っている歯医者さんを選ぶのも手です。歯医者さんの中には、忙しい方や、なにかイベントや出張があってこの日までに治療を終わらせたい!という方のために、土日や連休を使って、集中的に治療をしてくれる歯医者さんがあります。
短期集中治療を行っています、とうたっていなくても、先生に相談をしたらもしかすると対応してくれるかもしれません。
ぜひご自身の地域で対応している歯医者さんがないか検索してみてください。
3.虫歯による歯の痛みを抑える応急処置方法
連休のあいだ、歯医者さんに行けないときにできる、痛みを抑える為の応急処置を3つご紹介します。
①ツボを押す
今すぐ痛みを抑えたいのに薬が手元にない!というときはツボを押してみてください。親指と人差し指の付け根にある「合谷(ごうこく)」というツボです。歯の痛み以外にも頭痛や様々な症状に効くと言われています。やり方は、反対側の親指で合谷を押します。3秒押し、2秒離す、を3~4回繰り返します。
②鎮痛剤を飲む
痛みを一時的に抑えることができます。市販のものであれば、価格は12錠で700円ほどで、これは胃にも優しく小粒で飲みやすいうえ、早めに効いてくると言われています。ただし妊婦の方の服用は安全性が確立されておらず、65歳以上の高齢者の方は薬剤師相談服用してください。
③患部に詰め物をする
虫歯に直接薬を塗る方法もあります。虫歯の穴が大きく空いている場合には「正露丸」を詰めると痛みを和らげることが期待できます(参考:大幸薬品HP)。詰め物が入らない小さい虫歯の場合は「新今治水」を塗ると良いでしょう。これは虫歯に効く有効成分が高い割合で含まれており、塗って数分で効き目が出ると言われていますので、なるべく早く痛みから逃れたい!という方におすすめです。
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4.歯が欠けた時の応急処置方法
歯をぶつけたら欠けてしまった!そんな緊急事態のときは、気になるからといって触ったりせずに、欠けた部分は保存しておきましょう。もし痛みがある場合は鎮痛剤を飲みましょう。
先ほど、虫歯の痛みを抑える方法でも紹介した「ロキソニンS」などがあります。
ただし、歯が欠けた場合は自分で形を元に戻すことはできない為、歯医者さんでの治療が必須になります。すぐに歯医者さんに行けないときはマスクをするなどして対応し、直近で行ける歯医者さんを探しましょう。
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5.年末年始などの連休中に辛い思いをしないために!虫歯にならない為の予防が大事
今回この記事を読んでいる方は、きっとつらい思いをしたはずです。連休中に耐えがたい歯の痛みに襲われた、という場合は、虫歯が神経にまで達していて、ずいぶん前から虫歯になっていた可能性があります。
そうならない為にもやっぱり大事なのは日ごろからの予防です。
■夜疲れて帰ってきてもしっかり歯磨きをする!
■食事をしたら歯を磨く!
■デンタルフロスを使う!
など、歯医者さんに行かなくてもできることはたくさんあります。しかし、自分でもケアには限界があり、歯磨きをしていても磨き方にクセがあったりすると虫歯のリスクはなくなりません。
やはり、第一は定期的に歯医者さんで検診を受けることです。検診が面倒に感じる方もいるかもしれませんが、定期健診を受けていれば痛い思いもせずに済みますし、虫歯治療にかかる費用も要りません。
また、歯は一度削ったり抜いてしまうと人工的には戻せても、耐久性や機能は天然の歯に勝るものはありません。将来入れ歯になってしまったり、差し歯や銀歯だらけになってしまうと、充分に食事が楽しめなかったり、口を開いた時の見た目を気にしてしまい、ふだんの生活に支障が出てしまうこともあります。そうならない為にもしっかり歯医者さんで検診を受けて、健康な歯を維持していくことが大事なのです。
まとめ
連休中にに歯のトラブルが起きた場合、一時的な応急処置は可能ですが、虫歯が治るわけではありません。
連休明けに歯医者さんへ行き、きちんと治療しましょう。
目指したきっかけ:医療には関心あったが、やはり一番は両親の教育が大きかったのではないかと思う。
やりがい:大学のときは他の職種とは違う特殊性に惹かれていたのですが、実際歯科医になってからはお礼を言われる部分です。
松本歯科大学卒業後、同病院勤務。
琉球大学医学部付属病院歯科口腔外科にて
顎顔面領域悪性腫瘍治療に従事。
その後都内複数歯科医院勤務後、
麻布シティデンタルクリニックを開院。
現在に至る。
執筆者:
歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。