虫歯の予防策として良く耳にするのが、フッ素を塗布するという方法です。フッ素は歯質を強くする作用があり、初期状態の虫歯なら治すことも可能です。
そして、このフッ素は大人だけでなく、子供や赤ちゃんにも有用です。大切な赤ちゃんが虫歯にならないために、毎日の歯磨き以外でフッ素を取り入れることをおすすめします。
この記事では、フッ素が赤ちゃんの虫歯予防に効く理由を詳しく説明していきます。ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事の目次
1.赤ちゃんの生えたての歯にはフッ素が効果的
1-1 フッ素は「再石灰化」を促して虫歯を防ぐ
人は食事をすると、カルシウムやリンが溶け出す「脱灰」というサイクルを繰り返します。これが虫歯のきっかけを生む訳ですが、唾液が溶けた成分を元に戻してくれることで虫歯を防ぐことができるのです。これを「再石灰化」と呼んでいて、フッ素はこの再石灰化を促進させることが可能です。
1-2 フッ素は赤ちゃんの歯にこそ効果的
フッ素は生えたばかりの赤ちゃんの乳歯にこそ効果的です。乳歯は大人の歯(永久歯)よりも薄いので虫歯になりやすく、進行も早いのが特徴です。
フッ素を塗るタイミングとしては、乳歯が生えた直後に塗るのがより有用であるとされています。普段きちんと歯磨きを行った上でぜひフッ素塗布を試してみましょう。
2.自宅と歯医者で行うフッ素塗布
赤ちゃんのフッ素塗布を行う方法として、下記のように2つの方法があります。
①自宅でフッ素配合のジェルを塗る
②歯医者さんでフッ素を塗る
乳歯が生えそろうのは2歳半頃ですが、上下の前歯が生えてきたら自宅や歯医者さんでフッ素を塗ることをおすすめします。
2-1 乳歯におすすめのフッ素ジェルを自宅で塗る
自宅で赤ちゃんにフッ素を塗る方法があります。子供用に、さまざまの香味のフッ素ジェルが販売されています。
フッ素の濃度によって香味変えている製品もあります。例えば、ライオンの製品であれば、子供向けのバナナ味のフッ素濃度が「500ppmF」、ピーチとグレープの場合は「950ppmF」です。
日本の場合、薬機法によりフッ素の濃度は1000ppmF以下と定められています。赤ちゃんの場合は、濃度が低めのバナナ味がおすすめです。
また、赤ちゃんの場合、歯が生え始めてから2歳までは、切った爪の大きさ程度のジェルの量で十分です。お母さんが仕上げ磨きを行う際に赤ちゃんに塗ってあげましょう。
2-2 歯医者さんでフッ素を塗ってもらう
歯医者さんでフッ素を塗ってもらうというメリットは、『赤ちゃんを歯医者さんに慣れさせておく』という側面があります。また、市販のフッ素よりも濃度が高く予防に有用ですので、歯医者さんでフッ素塗布を行うメリットは十分にあります。プロの意見を参考にした意味のある虫歯予防になるはずです。3ヶ月~6ヶ月を目安に歯医者さんでフッ素を塗ってもらうことを推奨します。
フッ素塗布にかかる費用
フッ素塗布にかかる費用は、子供の場合ですと500円~1000円ほどとされています。また、自治体で補助される場合は数百円程度で済む可能性もあります。また、定期検診を行うことを前提に無料で行ってくれる歯医者さんもあります。
お子さんの歯の健康を考えると、歯医者さんでの検診は欠かせません。ぜひお近くの歯医者さんに予約して、一度診断してもらいましょう。
赤ちゃんの歯科検診については、下記のバナーから記事をご覧ください。予約可能なおすすめの小児歯科も紹介しています。
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る
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